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突変 [books]

K氏に借りなければ、自ら読むことはなかったろう。

突変(森岡浩之 徳間文庫)
厚さ3cm、700ページを超える1000円の文庫。
自分では買いも借りもしないサイズ。
「第一章 新型災害のある日常」で主要登場人物が出てくる。
妻が末期がんと宣告される町内会長。家事代行サービスをしている美人女性。
地元のスーパーの雇われ店長。ここまでは、たまに謎の言葉がある程度。

市議会議員女性の遊説で、移災被害というものの概要が話される。
ある地域が突然消えて、新種の生物を含む土地が出現してしまう。
表地球、裏地球と区別して研究が進められているが、不明点も多い。
そういう災害に対する組織や仕組み作りも手探り状態。
大規模移災の後結成された防除団に入っているニートの若い男も手持無沙汰。
リサイクルショップに子連れで働きにきている女性は、夫が移災で消えた。
幼い息子は、新種生物の図鑑を愛読している。

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お隣さんは、名探偵 [books]

おじさんの次は、お隣さん。

お隣さんは、名探偵(蒼井上鷹 角川文庫)
アーバン歌川の奇妙な日常と、サブタイトルがある。
名探偵は、小柄で人の好さそうな四〇二号室のおばあさん。
二代目の大家に半ば脅され、半ば頼まれ、住人たちの動向を探る。
大家が目論んでいる改装計画対象の部屋から、穏便に出て行ってもらうため。
先代ペットのトカゲが逃げたという口実を作り、おばあさんは部屋を巡る。

第一話「読み聞かせ」は五〇一号室。
お笑い芸人だったが事故で身動きもままならなくなり、
チラシの読み上げなど声の仕事をぼつぼつ受けている男。
おばあさんの鋭い観察力で、契約違反の同居人の存在がばれるが、
読み聞かせで眠らせる能力を発見し、違う場所に引っ越す目途がたつ。

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僕とおじさんの朝ごはん [books]

昼メシは食わないが、朝は何か食べるので、少し惹かれた表紙。

僕とおじさんの朝ごはん(桂望実 中央公論新社)

僕とおじさんの朝ごはん

僕とおじさんの朝ごはん

  • 作者: 桂 望実
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/02/24
  • メディア: 単行本


トーストされたパンと、ぷっくりした目玉焼きと、オレンジジュースが、
どこかの街を見下ろす木製テーブルの上にのっている表紙。
登場するのは、ケータリングの仕事をしている面倒臭がりな男。
味より見た目で、下準備にどれだけ手を抜けるかを考えている。
市販品の形を変えて小奇麗に並べ、残ったものは使いまわす。

先輩に誘われてなんとなく始めた仕事に、誇りも喜びもない。
食中毒で営業停止を喰らっても、どこか他人事。
離婚した妻と暮らす高校生の息子はそっくりな性格になっている。
客からたびたび、痕跡を残さず死ねる薬を持っていないかと聞かれる。
23年前に山で滑落死した友人と妹を思い、人は運命に翻弄されると悟り、
それ以来、一生懸命に生きるのをやめてしまった。
そういう、見事なまでの男の怠惰ぶりが、前半は淡々と描かれる。
話のつながりはなく、まさかずっとこの調子なのかと不安になってくる。

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昼メシの丸かじり [books]

前記事で自分が本当に撮りたかったのは、羊。
道民が昼メシによく食べるのは、羊?

昼メシの丸かじり(東海林さだお 文春文庫)

昼メシの丸かじり (文春文庫)

昼メシの丸かじり (文春文庫)

  • 作者: 東海林 さだお
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/06/10
  • メディア: 文庫


初出は週刊朝日2000年2月~11月。
解説の室井滋さんはキャンセルした飛行機のかわりに乗った、
特急はくたかの車内で読んでイライラを宥めたとある。
確かに、このエッセイで怒りを育むことはできない。

ほろ酔いで食べる屋台の磯辺巻き。
その旨さを再現すべく、自分で餅を焼いてみるところの描写が楽しい。

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いかめしの丸かじり [books]

いかが不漁で、森町の有名駅弁も値上げしたとか。

いかめしの丸かじり(東海林さだお 文春文庫)

いかめしの丸かじり (文春文庫)

いかめしの丸かじり (文春文庫)

  • 作者: 東海林 さだお
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/01/04
  • メディア: 文庫


初出は週刊朝日2009年8月~2010年4月。
説明不要の食べ物エッセー。

様変わりした場所でも楽しい『じいさんビアガーデンにゆく』
どう食べ進めるかを考察する『オムライスの騒ぎ』
未知への挑戦『え?冷やしかつ丼?』
かじりつく喜びを堪能する『とうもろこしのザークジャキ』
ストローで飲むものが許せない『箱物ジュースのチューチュー』
蕎麦屋でいつ取り上げるか考える『箸はいつ?』

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スズキさんの休息と遍歴 [books]

K氏ならこの本の真価を理解してくれそうで、
あちこち本屋で探しているのにまったく見つからない。

スズキさんの休息と遍歴(矢作俊彦 新潮文庫)

スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行 (新潮文庫)

スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行 (新潮文庫)

  • 作者: 矢作 俊彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/09
  • メディア: 文庫


「または かくも誇らかなるドーシーボーの騎行」と副題がある。
第一章は、三行使う大きな赤字の「で、」から始まる。
字体も様々なものを適宜使い、作者本人のイラストも頻繁に入る。
挿絵ではなく、絵文字のような扱いで、こういうのは初めて見た。

生まれて初めて有給休暇をとったスズキさんが、妻をヨーロッパ旅行へ送り、
一人息子を祖母に預け、箱根辺りを愛車で走ろうと考えている。
しかし、その日の朝届いた、ドン・キホーテの古書を見て、
息子を連れ、送り主に会いに行こうと思い立つ。
行き先は会津若松。

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星を継ぐもの [books]

海外では飽き足らず、K氏のおかげで宇宙へ飛ぶ。

星を継ぐもの(ジェイムズ・P・ホーガン 池央耿訳 創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

  • 作者: ジェイムズ・P・ホーガン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1980/05/23
  • メディア: 文庫


永遠のロングセラー、読者投票第1位と帯広告に書いてある。
投票は2009年の結果。
オリジナルは1977年発表で、この本初版は1980年。
そして手元にあるのは2011年の88版。ロングセラーに偽りなし。

プロローグでは、元気な巨人と、瀕死の『彼』がどこか岩だらけの星にいる。
助けを求めて去っていく巨人を見送る『彼』がどうなったかは描かれない。
1から始まる本編はロンドンから始まる。
原子物理学者ハントが、アメリカの宇宙軍本部長コールドウェルに呼び出される。
ニュートリノで透視する技術を使って調べたことがあるという。

示されたのは、月で見つかった遺体。

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眺めのいい部屋売ります [books]

国内作家に見切りをつけて、海外に飛んでみる。

眺めのいい部屋売ります(ジル・シメント 高見浩訳 小学館文庫)

眺めのいい部屋売ります (小学館文庫)

眺めのいい部屋売ります (小学館文庫)

  • 作者: ジル シメント
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/11/06
  • メディア: 文庫


ニューヨーク、イースト・ヴィレッジに住む老夫妻が主人公。
78歳の夫は画家で、77歳の妻は元教員。
12歳のダックスフントを飼っている。
エレベーターのないアパートの五階にある家に住み続けられないと考え、
売りに出すため内覧会をやる前夜、愛犬が急病で立てなくなる。

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こちら弁天通りラッキーロード商店街 [books]

気付けば光文社をよく選んでいて、どうも相性が悪い。

こちら弁天通りラッキーロード商店街(五十嵐貴久 光文社)

こちら弁天通りラッキーロード商店街

こちら弁天通りラッキーロード商店街

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


小さな印刷会社をやっていた男が、知人のうまい話しに乗っかって、
借金取りに追われるようになり、すべてを捨てて知らぬ町に逃げる。
雨の夜、辿り着いた無人の寺に泊まり、起きると新しい住職と勘違いされる。

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忘れ物が届きます [books]

札幌あたりは今日から二学期。
夏の終わりに、子どもっぽい表紙の本。

忘れ物が届きます(大崎梢 光文社)

忘れ物が届きます

忘れ物が届きます

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/04/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


なんともファンタジックな表紙絵。
初出は「ジャーロ」三篇、「小説宝石」一篇、書下ろし一遍。
相互関係のない推理系短編集。

『沙羅の実』
知らずに訪れた顧客が小学校の先生で、ずっと気にしていた話を聞かれる。
32歳の主人公が当時の友人を助ける打った偽装誘拐と、関連する殺人事件。
思い出話のように振り返り、先生は真相を導き出す。
家庭内暴力に対する子どもの目と、学校教師の目と、正義感まみれの会話。
いくら物覚えがよくても話の転がし方がうますぎて、何やら不自然。

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