So-net無料ブログ作成
検索選択

三毛猫ホームズの夏 [books]

夏もあと何週間かで終わる、はず。

三毛猫ホームズの夏(赤川次郎 光文社文庫)

三毛猫ホームズの夏 (光文社文庫プレミアム)

三毛猫ホームズの夏 (光文社文庫プレミアム)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/07/12
  • メディア: ペーパーバック


岩合光昭さんの猫写真が表紙に使われている。もちろん三毛猫。
前足を揃えてこちらを見つめる賢そうな顔。
シリーズ46作目となっているが、既に発表されているものからの寄せ集め。

「三毛猫ホームズのバカンス」
(出展1987「三毛猫ホームズの運動会」シリーズ7)
海辺のリゾートホテルに夏になると毎年来ている家族。
年の離れた妻が夫の留守に若い男性客と浮気。
その後互いに再婚して再会。休暇で訪れた片山が刑事と知ると、
それぞれが自分は殺されると訴えてくる。
しかしプールに浮いていたのは、彼らを罠にはめた浮気相手の男。

ホームズが「ニャー」と鳴き、人間にヒントを与えていく。
しっかりものの片山の妹晴美が主導で動き、猫恐怖症の石津は食欲旺盛で、
片山はあれこれぼやきながら彼らについていく設定は不動のどたばた推理劇。
そうそうこれこれ、と旧知に再会する気分。実際一度は読んでいるはず。

「三毛猫ホームズの幽霊城主」
(出展1991「三毛猫ホームズと愛の花束」シリーズ15)
これは読んだ記憶がある。
劇団演出の女性と、そこの花形役者の交際を認めたくないパトロンの兄。
海岸近くにある現代の西洋風な城に住み、片山たちを招待する。
初夏の一夜、潮が満ちて城への道は海底に沈み、天気が荒れて電話も通じない。
1991年発表の作品となると、スマホはもちろん携帯電話もないらしい。
劇団員の女の子が殺されて発見され、犯人らしい兄も自殺してしまう。
少々雑に人が死ぬが、城壁に吊るされた死体など芝居の世界のよう。

「三毛猫ホームズの通信簿」
(出展1996「三毛猫ホームズの家出」シリーズ23)
通信簿を見せると父親に怒られると憂鬱な女の子を助ける、年上の女子。
かつて同棲していた女性の妊娠を知ると逃げた父親。彼女はその娘である。
父親は今、浮気相手を囲うため会社の金に手をつけている。
さらに空き巣殺害事件も起きて、短編としては出来事が多くてややこしい。
片山が非番で呼び出される前の冒頭シーンが、のどか。

「腹が減ったな」
 と、片山は畳に引っくり返って、「おい、ホームズ。何か食いもん、買って来いよ」
 この誇り高き三毛猫に、そんなことを言っても、まともに返事するわけがない。それに世間一般には、猫は買物に行くものと思われていない。
 当然、ホームズも聞こえないふりをして、そっぽを向いたのである。
(「三毛猫ホームズの通信簿」より)


「三毛猫ホームズのキューピッド」
(出展2000「三毛猫ホームズの無人島」シリーズ31)
14歳の少年が、夏休みに憧れの従姉家族の別荘へ行く。
従姉の恋人という男への手紙を渡す役を任されるが、様子がおかしい。
近所の別荘を知人に借りた片山たちは夕食に招かれ、
その後の殺人事件に関わることに。
家族同士で犯行をかばいあっているのを、ホームズが待ち伏せして解決に導く。

休暇中でも必ず事件に遭遇する不自然さなど、こんな長大シリーズになると
何も感じなくなってしまう。そういうものと割り切って読む。
よしよし今回もホームズ絶好調ですねと、頭を使わず、なまぬるく読む。
シリーズをまったく知らない人には向かない、常連向けの本。
星3つ。

nice!(0) 

nice! 0