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フクロウが多すぎる [books]

野鳥の動きが賑やかになったような気がする、暖かい日。

フクロウが多すぎる(シャーロット・マクラウド 高田惠子訳 創元推理文庫)

フクロウが多すぎる (創元推理文庫)

フクロウが多すぎる (創元推理文庫)

  • 作者: シャーロット マクラウド
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1992/06
  • メディア: 文庫


裏表紙の説明にシャンディシリーズ最新作!とあり、何巻だかわからないながら、
折り返しのシリーズ一覧のひとつまえがオオブタクサになっていて、
これが第六弾だろうと信じて借りた。
やられたと気づいたときには遅かった。
これは第八弾。六と七は創元からは出ておらず、かつ、図書館にもなかった。

前作をどっぷり引き摺っているわけではないが、最初から知らない人がいる。
十月の夜、シャンディ教授はキャンパス裏の森でフクロウ数えをしている。
毎年開かれるイベントで、チームを組んで担当範囲のフクロウを記録するもの。
馴染みの学長と、畜産のストット教授、新顔の植物誌女性准教授、
さらにテレビ局建設管理者なる若い男が同グループ。


 ストットよりさらに背が高く、はるかにたくましいトールシェルド・スヴェンソンは、大きくなりすぎたウサギのしっぽのような巨大な白いポンポンのついた赤い毛糸の帽子をかぶっていなければ、グレイのフランネルのシャツと作業ズボンをはいたその姿は岩の巨人といってもとおりそうだった。


途中で、管理者は何らかの罠に引っ掛かり、死んでしまう。
その後、女性准教授が運営している野外研究所を主な舞台にして事件が連続する。
偽名の怪しい男を捕まえるが、催眠術で拘置所から逃げられる。
相続したばかりの莫大な遺産管理についての話は何らかの邪魔が入る。
研究所の助手は何度か誘拐され、さらには自身も拉致される准教授。

巧みなヒントを得て彼女を救いに追いかけるシャンディと学長。
嵐の夜に敵の船で川下りをするはめになる。
バイキングの血が流れる学長が大活躍して楽しい。
助かったものの、疑心暗鬼に陥る准教授だが、シャンディの推理で
犯人たちは芋づる式に捕まえられて、新たなカップルが誕生する。

誰を信じればよいのか怪しい人物が多いうえに、天候もひどく、冒険要素が強い。
登場人物が多い分、推理も複雑になってくる。
ただ、変装をする犯人や、追い詰められた関係者の慌てぶりや、
いつもの皮肉や冗談たっぷりの会話で、危険な感じまで笑いになってしまう。


 シャンディがパンとチーズをのせた皿と飲み物を持ってキッチンからもどってみると、スヴェンソンがジェーンをひざにのせて新聞をひろげ、シャンディの老眼鏡をかけて、シャンディのいすにおさまっていた。
「なんと、学長、家長のわたしをないがしろにしたかどで訴えますよ」
「わたしのひざのほうが大きいではないか」


食べ物がたくさん出てくると、それが何かわからなくても臨場感を煽る。
森の死体の前で食べる夜食は、ストットの妻の手製。

 ピーターが最初にあけた包みは、自家製のライ麦パンをスライスしたものにハチミツ漬けのハムをのせ、そのうえに七面鳥の燻製、セージ・チーズ、生のトマト、キュウリ、レタス、アルファルファが積み重ねてあり、味をいっそうひきたてるために特製のマスタード・ドレッシングがくわえられていた。


植物誌准教授が作るのはタンポポのコーヒーや、カンゾウ花粉のマフィン。
警察署長が朝食に食べているのはゼリードーナツ。
シャンディの妻が振る舞う夕食はポット・ロースト。朝食はパンケーキ。
嵐の日に女性陣が作るナッツ入りファッジやクッキー。
学生食堂では秋定番のアップル・パイ。
助けに出掛ける前に学長が叩き切って作るチーズのクラッカー・サンドイッチ。
激流下りの船内で食べるレヴァー・パテと缶詰肉と堅パンとトマトスープ。
上陸した町で注文する丸太乗りスペシャルは大型のオムレツと大量のポテト。
学長用に作る卵半ダースのスクランブルド・エッグに、カラス麦のマフィン。
食べ物から文化や人柄も見えてくる。
満腹の一冊。
星4つ。
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