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博多座二月花形歌舞伎 [etc...]

福岡に行った理由。

博多座二月花形歌舞伎 昼の部
平成29年2月3日ー26日
男の花道 二幕
 小國英雄原案、巌谷眞一作、石川耕士補綴・演出
艶姿澤瀉祭 六景
 市川猿之助演出

昨年四月のワンピース以来の博多座観劇。
男の花道は、たしか、二年前の明治座で観た。



映画化から、舞台化された男の花道。
失明寸前の名優の目を、シーボルトの教えを受けた貧乏名医が治す。
互いに今後の躍進を誓い、この先何があっても力になると名優は約束し、
言葉通り、信念を曲げ恩義を果たすという、江戸後期の走れメロスのような話。

人気女形の主人公歌右衛門は猿之助(以下敬称略)。
弟子や弟分を、巳之助、隼人の若手イケメンが固める。
名医の玄硝は平岳大。ワンピースでも共演していた。
設定は江戸時代だが新しい話なので言葉遣いもほぼ現代語といってよく、
話の筋も非常にわかりやすい。

玄硝に無茶を言う悪役藩主留守居役が門之助。
その妻の笑也で、登場時間は短いがユーモアたっぷりの存在感を発揮する。
下役の猿弥、料亭女将の笑三郎も、ぴりりと脇を固めてくれて安定感抜群。
じとじと感動させるだけでなく、楽しさもしっかりまぶしてくれる。

猿之助が出てきたときは、うわっと驚いた。
こんな美人だったか?
ワンピースはともかく、明治座の同じ役より格段に艶っぽい。
立ち居振る舞い、存在感、声色、進化のスピードが凄まじい。参った。

で、もっと参ったのが、澤瀉祭。

この公園のために特別に構成された舞踊。
舞踊なのに、市川猿之助宙乗り相勤め申し候とかいてある。
第一景、登場するのは市瀬秀和さんの剣舞。竹がすぱすぱ吹っ飛ぶ。
第二景は、義太夫の演奏で巳之助と隼人が龍神鬼神として舞い踊る。
第三景、民謡メドレーで芸者姿の猿之助が登場。
懐かしい祝いめでたに喜んでいると、突然曲調がポップになって、吹き出す。
寿猿が黒田節で茶目っ気を披露し、最後は深川マンボという、賑やかさ。
着流し姿の猿之助はやんちゃな顔をしていた。

第四景は長唄の藤娘でしっとり。
第五景はまさかのフラメンコで、平さんと猿弥たちが共演する。
最後は出雲の阿国の猿之助はじめ、皆さん勢揃いで、華やかさといったらもう、
宝塚のレビューのよう。洋装の女性か、和装の男性かの違いくらいしかない。

昔ながらの、伝統的な舞踊とは趣が違う。異色の演出ではある。
でもこれが本来の歌舞伎の意味するところ、かもしれない。
伝統を変わらず守り続けるだけの芸能ではなくて、進化変化していくもの。
度肝を抜かれ、そのやりたい放題っぷりに笑ってしまったが、楽しかった。
メインで何度も観たいかといえば、そうでもない、けれども。
面白い、美しいものを観た、という充足感にどっぷり浸かった。

これだから観劇はやめられない。

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