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シュークリーム [books]

図書館放浪中に、立ち読みした本。
なぜここに?という文類棚に薄く挟まっていた。
食べ物タイトルには異様なセンサーが働く。

シュークリーム(小泉吉宏 幻冬舎)

シュークリーム

シュークリーム

  • 作者: 小泉 吉宏
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本


絵本、である。

 大気のやわらかい夜に、駅の売店でシュークリームの箱づめセットを買った。


と、始まり、5つ入りの4つまでをぺろりと食べる。
最後のひとつが喋るシュークリームで、女性主人公はそれを飼い始める。

えさは、砂糖、牛乳、卵、バター、小麦粉、コーンスターチ、水、
時々バニラエッセンス。

シューちゃんと名付けて可愛がり、そのうちまた箱づめを買い、
シュー子も飼う。すると、ベビーシューが生まれる。
主人公はベビーシューを売って繁盛するが、シューちゃんが死んでしまう。
すると、他のシューたちも喋らなくなる。
土手に埋葬する場面奥に、ちっとも悲しくなさそうな猫が描かれている。

ただ、これだけの話。
少しごつごつした感じのシュークリームは、まあまあ可愛い。
猫でもハムスターでも金魚でもない、食べ物を飼う、という設定。
喋るので、同居人に近い。
ちいさなちいさな王さまという、アクセル・ハッケの本と似ているが、
何か訓話のような語りがあるではなく、別れもあっさりしている。

クッキーのように硬くなく、マカロンのように高級でもなく、
アイスのように融けもしないし、ホットケーキほど身近でもない。
この、絶妙の柔らかさと特別感をもつシュークリームという菓子を選んだのも、
にくいセンス。

人生の一時期を快く密に過ごす。
長い目で見ると、それは互いに通りすがりでしかないが、ずっと記憶に残る時間。
そういう人を、思い出す。
星2つ。


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