So-net無料ブログ作成

狼王ロボ(演劇) [etc...]

札幌演劇シーズン2017冬
幕開けの作品を観てきた。
久々の生の芝居に興奮して迎えたその日は、吹雪。
目も開けていられないような雪と風にイライラしていると、
会場のかでる2・7前で、巨大雪だるまがお出迎えで、笑った。
(写真↓は後日撮り直した)
DSC08593.JPG

劇団千年王國の「狼王ロボ」
原作 アーネスト・T・シートン
脚本・演出 櫻井幸絵
2017.1.28-2.4
北海道立道民活動センターかでる2・7

5年目となる札幌演劇シーズン。
年二回の存在は知っていたが、鑑賞せずにいた。
シートン原作の話で、ダンサーと役者が出て、シートン役が森崎博之さん。
この3点に惹かれ、初参加。

ダンサーときいて、四季のライオンキングを思い出して危惧してはいた。
が、こちらは狼はじめ動物たちがダンサーで、喋らない。
格好はキャッツに近く、人間とは明らかに違う動きをするので、違和感が薄い。
自然界に生きているものの神秘性などがうまく強調されていた。

話は単純で、王と呼ばれる無敵の狼とその一族に家畜などを殺される人間たちが
狼を捕まえようと悪戦苦闘し、万策尽きてシートンに退治を依頼する。
シートンが動物学から編み出した罠も見破られ、被害は増える。
その知能や運動能力の高さに、惹かれていくシートン。
狼の妻をやっと捕まえて、それによってついに王も罠に嵌ってしまう。
愛情の深さや気高さに、ますます彼を好きになるシートンの葛藤が見せ場。

地元の人々役として、役者はシートンの他に4人。
一人三役以上こなして元気いっぱい。
状況説明役が憤りを示すべく常に叫んでいるのが聞きづらい以外は、
少数精鋭といった様子でテンポがよかった。

狼は5人。アンサンブルダンサーも5人。
舞台上で音楽や効果音を演奏しているのが3人。
彼らは一切喋らないが、存在感は大きい。
小道具にぬいぐるみなどを使い、モノで笑いを取るシーンが多めだったのは残念。

通路を走り回り、中間地点にも小さな舞台を作り、客席を取り込む演出多数。
前方で通路横の席だったため、変に緊張した。
途中で観客を羊に見立てていじるシーンは長過ぎて中だるみしたものの、
映像では得られないライブ感はよい。

家畜を狙う狼は最初悪者だが、やがては牧場の人々も狼たちに敬意を抱く。
どちらが侵略者か、実は考えるまでもない。
野生動物と人間の、どちらが悪か、何が正義か。
最後は結局人間が制して、めでたいはずなのに後味は悪い。

舞台はニューメキシコ州。
近年開拓された土地としては、北海道も他人事ではない。
終り頃、唐突にちらりとそういう台詞があった。

自然との共生、などという言葉は割とそこらで気軽にいわれる。
けれども、共に生きるなんていうのも、おこがましいこと。
圧倒的な自然に対して武装し歯向かってきた人間の罪は重い。
原生林に覆われていたころの北海道を舞台にしてもいいのではないか。
そのほうが、もっと強く印象に残せるように思う。
シートンの原作も読んでみたい。


nice!(1) 

nice! 1